竹取翁の苫屋

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調子と今日の曲の説明

調子と考え方

 雅楽にはそれぞれの曲は調子に属しています。たとえば、今日演奏します越
天楽という曲の前に平調と書いてあります。これは平らな調子と書いて、「ひ
ょうじょう」と呼びます。この調子というのは西洋音楽ではハ長調とか、ニ短
調とか習いましたが、それとは少し違います。

 現在の雅楽には6つの調子があります。平調(ひょうじょう)、壱越調(い
ちこつちょう)、双調(そうじょう)、黄鐘調(おうしきちょう)、盤渉調
(ばんしきちょう)、太食調(たいしきちょう)の6つです。

 これらの調子にはそれぞれ主となる音があります。平調はミ、壱越調はレ、
双調はソ、黄鐘調はラ、盤渉調はシ、太食調はミの音が中心の曲なんですが、
それ以上に特徴があるのは調子に考え方があるということです。

 話は違う方から持っていきますと、この近くの高松塚古墳やキトラ古墳には
壁画がありました。東には白虎、西に青龍、北に玄武、南に朱雀というふうに
描かれていました。そしてこれらの絵には思想があります。

 これと同じように雅楽の調子にも音と自然の調和の思想という考え方がその
中にあります。たとえば、双調は春で青で、あるいは盤渉調は冬で黒、平調は
秋で白、黄鐘調は夏で赤というふうな考え方があります。



演奏の曲

音取り 
 一言で言えば、オーケストラでもありますけれども各楽器のチューニングを
する。

 ちゃんと向こうの部屋で合わせては来ているんです。しかし、それを舞台で
する。それには音の変わらない、笙から始まってその音を聞きながら、次々と
楽器が加わってくる。

 これはチューニングと言うよりも一つの曲になっています。そしてもう一つ
は今度吹く曲のイメージはこんなのですよと、皆様にお知らせもしているわけ
です。


越天楽 
 この曲は有名なわりには背景の分からない曲です。しかし、雅楽の曲の中で
は一番ポピュラーな曲です。

 おめでたいときに吹かれることが多く、神社の結婚式などでよく聴かれる曲
だと思います。黒田節「酒は飲め飲め飲むならば日の本一のこの槍を」の原型
となった曲とも言われ、また、今様にもあります。「春のやよいの あけぼのに
四方(よも)の山べを 見わたせば花盛りかも しら雲のかからぬ峰こそなかり
けれ」現在は小学校の音楽の教科書にも出ているのでびっくりしました。

 昨年私は小学校の音楽の時間をお借りして雅楽と子供たちのファイフの越天
楽と合わしました。

 今雅楽を習うときに最初に習う曲です。しかし、これが以外と難しい曲なん
です。


陪臚
 陪臚は軽快な曲です。林邑(りんゆう)という国が今のベトナムのあたりと
いわれますが、そこから、奈良時代に僧仏哲が伝えたと伝えられ、出陣の時に
吹いたと言われるように勇壮な曲だそうです。


舞楽壱越調蘭陵王
 この曲は現実の人をモデルにしていると伝えられています。
中国の漢と隋の間、随は日本では聖徳太子が活躍した時代、飛鳥時代です。随
のさらにその前の北周のころ、中国大陸は戦乱の時代でした。その頃の中国は
歴史では「南北朝時代」と呼ばれ、北周のほかにも同じような力を持つ北斉、
陳という国がありました。そのうちの北斉に蘭陵王高長恭(こうちょうきょ
う)という人物がおり、「蘭陵王」という雅楽は、彼のエピソードをモデルに
して作られたものといわれています。王の4男で大変優しく美しい顔立ちで、
声も美しかったといいます。戦場に出るときは恐ろしい面をかぶって戦ったと
言われ、その姿とは裏腹な勇猛さで、数々の戦功をあげました。それで彼の戦
いぶりを称えて「蘭陵王入陣曲」というが作られたそうです。

 入場の曲から始まりまして、音取り、当曲蘭陵王、退場の曲と続きます。入
場してくる時から太鼓と鞨鼓と笛の何ともいえない勇ましい雰囲気が伝わる曲
です。

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